農林水産省「水稲の高温対策」
2023年は梅雨明け以降、北日本や東日本を中心に記録的な高温が続きました。このため、白未熟粒の発生が懸念される地域では、品質低下を防ぐためにさまざまな対応が強化されました。
具体的には、追肥や水管理、適期収穫などの対策が講じられました。
さらに、少雨による渇水に見舞われた地域では、地区ごとやほ場ごとに順番と時間を決めて用水を配水する「番水」や、消雪用井戸の活用なども行われました。
マンスリーレポートでは、各県で取り組まれた高温下での水稲栽培の適応策について、もっとも効果が高かったとされる対策を紹介しています。これにより、高温に適応した栽培方法や水管理の工夫が地域ごとにどのように実施され、成果を上げたかが詳しく報告されています。
気象庁の向こう3か月の天候の見通しによると、6月から8月は暖かい空気に覆われやすく気温は全国的に高い見通しです。
水稲については、生育前半が高温だった場合、過剰な分げつや籾数過多が見られることがあります。このため、以下の対策が推奨されています。
適正な基肥の施用
初期の栄養管理を適切に行うことで、過剰な生育を防ぎます。
栽植密度の調整
適切な間隔で苗を植えることで、風通しを良くし、生育をコントロールします。
中干しの徹底
一時的に水を抜く「中干し」を行うことで、根の発育を促し、稲の体力を高めます。
また、基肥一発肥料を使用した場合でも、現場での生育・栄養診断を実施し、適切な追肥を行うように通知されています。これは、生育状況に応じて追加の肥料を与えることで、栄養バランスを最適化し、品質の良い稲を育てるためです。
農林水産省は、「これからの水管理と施肥管理の徹底が重要である」と強調しています。これらの管理を徹底することで、高温に対応しながら良質な稲作を実現することが求められています。